■受注BOM使用の目的と背景
受注ごとに仕様が異なり、事前にBOMマスタなどを用意できない特注製品を受注、生産、出荷する業務をR/3システムにて行ないたい
■処理フロー
■マスタ登録
・受注BOM:受注単位に登録
事前に登録したBOMをコピーして、構成部品を取り替えるなども可能
・作業手順:受注単位に登録
作業手順のパターンをグループカウンタを分けて登録
■パラメータ設定
・評価バリアント:原価計算バリアントに割当
受注原価積上計算時に使用する価格の取得元を設定する
・原価計算バリアント:所要量クラスに割当
受注原価積上計算時に使用する日付、価格の取得元を設定する
・所要量クラス: SD受注明細カテゴリから導出させる
原価の計算方法を設定する(製品原価見積、個別受注原価計算など)
■受注BOMを使用した受注登録
・受注登録①
受注先、得意先発注番号、品目、数量を入力
また構成部品を考慮した販売価格も手入力
・受注登録②
個別受注原価を使用する場合は所要量タイプを指定
(初期提案させる事も可能)
・受注BOM登録①(CS61)
品目BOMからコピー
・受注BOM登録②(CS61)
コピーしたい明細を選択しコピーボタンを押下
・作業手順登録(CA01)
標準作業手順をコピーして登録
・原価計算①(VA02)
個別受注原価を計算
・原価計算②(VA02)
計算内容を確認して「マーク」
(明細と合計の差異を防ぐ為)
■利点
・受注ごとに仕様が異なり、事前にマスタの用意できない特注製品を受注、生産、出荷する業務を標準機能で実現可能
・複雑なマスタ設定は必要ない
・個別受注原価を使用する事が可能
■導入前の課題と対応
①受注登録の処理手順が多い
受注登録後に 受注BOM、作業手順、個別受注原価積上 の登録がそれぞれ必要
標準品目のBOM、作業手順を事前に用意し、それを参照して都度登録をするなど運用の軽減を図ることが必要
②選択オプション毎の価格設定が不可能
製品の価格はマスタ化が可能であるが、オプション品などに依存して価格決定ができない
受注登録時に都度マニュアルにて価格を登録する必要がある
③CO収益性分析に差異が発生しうる
個別受注原価を使用した場合、「マーク」処理をしないとCO収益性分析の合計と明細で差異が発生する
「マーク」処理されていない場合は、入庫時にUSEREXITにてエラーとするなど対応が必要
④誤った計画手配が作成されうる
MPS、MRPの実行前に受注BOMを登録しておかないと、標準BOMを使用して計画手配が作成されてしまう
受注BOMが登録できる段階になったら受注登録をする(それまでは見積伝票登録、又は手管理)などの対応が必要
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