Saturday, May 19, 2018

SALES BOM CS61

■受注BOM使用の目的と背景
受注ごとに仕様が異なり、事前にBOMマスタなどを用意できない特注製品を受注、生産、出荷する業務をR/3システムにて行ないたい

■処理フロー





■マスタ登録
・受注BOM:受注単位に登録
 事前に登録したBOMをコピーして、構成部品を取り替えるなども可能
・作業手順:受注単位に登録
作業手順のパターンをグループカウンタを分けて登録

■パラメータ設定
・評価バリアント:原価計算バリアントに割当
 受注原価積上計算時に使用する価格の取得元を設定する
・原価計算バリアント:所要量クラスに割当
 受注原価積上計算時に使用する日付、価格の取得元を設定する
・所要量クラス: SD受注明細カテゴリから導出させる
原価の計算方法を設定する(製品原価見積、個別受注原価計算など)

■受注BOMを使用した受注登録
・受注登録①
 受注先、得意先発注番号、品目、数量を入力
 また構成部品を考慮した販売価格も手入力

・受注登録②
 個別受注原価を使用する場合は所要量タイプを指定
 (初期提案させる事も可能)
 
・受注BOM登録①(CS61)
 品目BOMからコピー


・受注BOM登録②(CS61)
 コピーしたい明細を選択しコピーボタンを押下

・作業手順登録(CA01)
 標準作業手順をコピーして登録


・原価計算①(VA02)
 個別受注原価を計算


・原価計算②(VA02)
 計算内容を確認して「マーク」
 (明細と合計の差異を防ぐ為)

■利点
・受注ごとに仕様が異なり、事前にマスタの用意できない特注製品を受注、生産、出荷する業務を標準機能で実現可能
・複雑なマスタ設定は必要ない
・個別受注原価を使用する事が可能


■導入前の課題と対応

①受注登録の処理手順が多い
受注登録後に 受注BOM、作業手順、個別受注原価積上 の登録がそれぞれ必要
標準品目のBOM、作業手順を事前に用意し、それを参照して都度登録をするなど運用の軽減を図ることが必要

②選択オプション毎の価格設定が不可能
製品の価格はマスタ化が可能であるが、オプション品などに依存して価格決定ができない
受注登録時に都度マニュアルにて価格を登録する必要がある

③CO収益性分析に差異が発生しうる
個別受注原価を使用した場合、「マーク」処理をしないとCO収益性分析の合計と明細で差異が発生する
「マーク」処理されていない場合は、入庫時にUSEREXITにてエラーとするなど対応が必要

④誤った計画手配が作成されうる
MPS、MRPの実行前に受注BOMを登録しておかないと、標準BOMを使用して計画手配が作成されてしまう
受注BOMが登録できる段階になったら受注登録をする(それまでは見積伝票登録、又は手管理)などの対応が必要

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